diary

かきたいことを、かきたいときだけ、かきたいように

茶色

 

 

 

懲りずにソファでイビキをかいている人が、急に口を開いた。

 

今日のお買い物楽しかった。また行きたい。

 

何でだろう、いつもはこのまま寝てしまうことが嫌で嫌で、これを理由に何度も喧嘩をしたし、家を飛び出したこともあった。

なのに今日はその一言で許してしまいそうだ。

 

 

 

今日は彼と彼の親友(私の友人、幼馴染みでもある)が私の誕生日プレゼントを買いに行ってくれた。

仕事を急いで終わらせ、おしゃれなお店に囲まれた汗だくの腹の出たおっさん2人を想像すると、微笑ましくて仕方ない。

元アパレル店員の私から言わせると、申し訳ないが男のプレゼント選びは、最高の獲物でしかないけど…。

 

帰ってくると、最初は見せないと言っていたプレゼントを待ちきれなくなって渡してくれた。

私の好みを熟知したもの、私なら絶対に買わないもの、たくさんあったが、見た瞬間に彼と友達、どれをどっちが選んだかすぐにわかった。

 

私がプレゼントを受け取り、開けている間、

彼らはショップでどんなことがあったか、どんな風に選んだか、ご丁寧に一から全部教えてくれた。

2人で楽しそうに。

少し、緊張して。

 

私がプレゼントを着て見せると、2人とも凄く嬉しそうに似合うと言ってくれた。

良かったと安心していた。

絶対普段なら着ない形の洋服たちは、色だけはどう見ても私の肌に合うものだ。

 

そして茶色のマーメイドスカート、これは絶対に彼が選んでくれたものだと思う。

 

 

 

 

 

 

自分で選ぶと黒や灰色を選びがちだ。

特に容姿に自信はないし、センスにも自信はないが、洋服は好きだ。

ただ、強い女になりたい像(笑)が強すぎて、少しきつめの服を手に取ってしまう。

 

そんな私に彼は茶色のワンピース持ってきた、去年の誕生日。

こんなの似合わないよと言うと、絶対似合うからと言われた。

普段買い物嫌いで、いつもふて腐れながら私の横を歩くくせに。

とか思いながら、本当は選んでくれたのが嬉しくて試着室に向かった。

 

ほら似合うでしょ。

たしかに。大人っぽい。25歳っぽい!と私は喜んだ。

絶対あなたは茶色が似合うんだよ。

と少し照れながら、目を合わせずに教えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の為に誰かが選んだ服。

素敵すぎるプレゼントだ。

値段とか、センスとか、普段着ないとか、そんなのどうでもいい。

私の事を考えて、私に似合うと思って、買ってくれた。

 

私が喜ぶと、本当に優しい顔するんだもん。

それだけで幸せすぎて、プレゼントを抱きしめて眠りたいぐらい。

 

因みに私は去年から、買い物に行くと茶色の服に目がいってしまう。

恥ずかしいから買わないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

いい旦那と友達を持ったな。

 

今日ぐらいはソファで寝てもいいかな。

 

 

 

いや、それとこれとは話が違う。

さあ、起きろ、風呂入れ。