蓋
どうしたらいい?
どうすればいいの?
口癖だった。
この言葉が自分の口から出る時、もう限界だということを私は知っている。
前を向こう、もう前を向けない諦めたい。
交互に繰り返す考えは分単位で変わり、とても忙しい。
この気持ちのやり場がどこにもない。
誰に話しても、1人になっても、病院に行っても、最後に思い浮かぶのは空っぽの部屋の中だ。
そして私をまっすぐに見つめる目にまた希望を持とうとする。
悪夢を見続ける毎日。
怖いものに拍車がかかる。
辛さに耐えられなくなり、人に当たる。
そんな自分が嫌だ。
大切なのに、大切にしたいのに、私は何故いつも大切なものを自分から手離そうとするのか。
一緒にいる時間が長ければ長いほど、失った時に辛くなることを、たった26年の人生で知った。
そして失った時、自分がどうなるかも分かっている。
現実逃避の海外ドラマと漫画も段々頭に入らなくなる。
寝ることでしか忘れる事ができないのに、寝れば寝るほど悪夢を見る。
頭も痛くなるし、体調も悪くなる。
弱い自分が消えてしまえば、私は私じゃなくなるでしょう?
弱い自分がいるから分かる事ができる優しさがあるでしょう?
でもこのまま生きていくのは辛すぎるでしょう。
私はもう二度とこんな思いはしたくない。
もう誰かを愛すことはしたくない。
もう誰もこの場所には入れたくない。
あと何回貴方の寝顔に、だいすきと伝えられるのだろう。